胃のもたれ、胸やけ、胃炎を治す食品『トマト』

トマトには、抗酸化作用、抗癌作用、老化予防、認知症予防に効果がある 「リコピン」、 疲労回復作用のある「クエン酸」、抗アレルギー作用のある「トマチン」、抗酸化作用、抗酸化作用のある「フラボノイド」が含まれています。


■「医者の商売あがったり」にするトマトの栄養価

トマト 西洋のことわざに「トマトが赤くなると、医者が青くなる」というのがあります。 これは、トマトの栄養価が非常に高いために、病気になっている人はトマトを食べることで回復に向かい、 病気になりそうな人もトマトのおかげで健康になる、つまり、医者としての商売が成り立たなくなる、ということを例えたものです。 そういわれるほど、トマトは栄養価がとても高い緑黄色野菜なのです。


■優れた消炎作用により、胃の炎症を鎮める

トマトには、体の余分な熱を冷ます効果があります。この消炎作用は、胃炎や腎炎などの炎症を抑えることはもちろん、 慢性腎炎などによるむくみの軽減にも役立ちます。 トマトの魅力はカロテノイド系色素のリコピンビタミンCが豊富であること。 リコピンは、トマトの赤い色で、強い抗酸化作用を持っています。ちなみに、リコピンの抗酸化作用は βカロテンの2倍の働きがあります。 さらに、100gあたり15mgも含まれているビタミンCの相乗作用で、体内の不要な 活性酸素を撃退してくれます。 活性酸素は、強力な破壊力を持つアニオン(不対電子)を有しており、これが増えると細胞膜やDNAを傷つけて、 癌をはじめとする生活習慣病を発現させるものです。また、ビタミンCは、トマトの含有成分である ルチンと相乗作用で血圧を下げ、 高血圧を改善します。 トマトに含まれるクエン酸やリンゴ酸は、胃炎によるむかつきを抑え、同時に疲労回復物質も取り除きます。 よく二日酔いの人がトマトジュースを飲みますが、これはアルコールによってもたらされた胃粘膜の炎症をトマトが鎮めるとともに、解毒能力も高めるからです。 また、胃のもたれにも最適で、特に油っぽい食べ物によるもたれは、 ビタミンB6が効果を発揮します。 すなわち、消化を促進し、もたれの症状を速やかに改善してくれるのです。


■胃炎の症状に、トマトを使った調理法

▼胃のもたれに
細かく刻んだトマト150gに蜂蜜大さじ2をかけて食べる。

▼胸やけ、胸の痛みに
トマト1/2個(80g)をジュースにしたものに、同量の牛乳を混ぜて飲む。

▼冷えてくると増す痛みに
トマトジュース小1缶(190g)を温めて飲む。温めたトマトは甘みが増し、飲みやすくなる。

■高血圧や肥満、糖尿病の補助療法としても有効

胃炎の症状を解消する効果のほかに注目したいのは、トマトに含まれているグルタミン酸や遊離アミノ酸の存在です。 これらは大脳の活動を刺激し、ボーっとした感じを解消してくれます。 また、水溶性の食物繊維(ペクチン)は、腸内環境を整え、便秘の改善に働くばかりでなく、老廃物や有害物質の排出を促進して、 生活習慣病の予防に大きな効果を発揮します。 トマトには、毛細血管を強化し、出血を防ぐ作用もあり、眼底出血、鼻血、歯茎の出血などの予防や治療に有効です。 また、糖代謝や脂肪代謝の改善にも役立つため、現代でも肥満や糖尿病の補助療法として応用されています。 実際に欧米では、トマトを 肥満症高血圧糖尿病 の予防や治療に積極的に応用しているようです。

▼高血圧、眼底出血の治療に
トマト中1~2個(150~300g)を、毎朝、空腹時に食べる。15日を目途として継続する。 早く効果が現れる人には改善が見られる。

▼歯茎からの出血に
トマトを毎日1個食べる。またはトマトジュースにして、毎日250g飲み続ける。

▼微熱、または、ほてり感があって、喉が渇くときに
皮をむいたトマトを白砂糖に1日浸けたものを1日1個食べる。トマトの水煮に砂糖を振りかけてもよい。

▼暑気あたりによる食欲不振、味覚障害に
トマト1~2個をみじん切りにし、オリーブ油(またはゴマ油)少々でさっと炒める。 これに鶏がらスープ2カップを加え、トマトスープにして食べる。

▼糖尿病の補助療法、血糖値の安定に
ソラマメ60gを茹でて裏ごししたものに、トマトジュース小1缶(190g)を加えてポタージュにし、毎日飲む。