超睡眠法第1章『ピークシフトで脳をマネジメントする』①

睡眠の質をよくするには、起きている間の過ごし方が大事になってきます。
中には無意識のうちにすでにやっていることもありますが、意識的に行うことで、その効果はさらに増します。
睡眠の3つのリズムを頭に入れつつ、仕事の質を高めるための1日の過ごし方を学びましょう。


■ピークシフトで仕事が進む時間帯を把握

大事な仕事に自分のピークを持っていく

◆終日ハイパフォーマンスを保っていくのは不可能

いつもピークの状態の自分でありたいと思いますが、どんなに優秀なビジネスマンであっても、 1日中ハイパフォーマンスを発揮し続けるのは難しいものです。必ずどこかで”沈む”時間帯が出てきます。 その一方で、最も力を発揮できるピークの時間帯があるのも事実。パフォーマンスは1日の中で浮いたり沈んだりを 繰り返すわけですが、そのピークを自分にとって大事な時間帯に持っていくのが「ピークシフト」です。

例えば模様替えなど、力を使う作業があるとき、それを行うのに最も適しているのは起床から約11時間後のタイミングです。 しかし朝、寝過ごしてしまい、昼に起きて4時間くらい経ってからその作業をすると、パフォーマンス全開というわけにはいきません。 仮にその作業で自分の力を最大限に発揮したいのであれば、ふだんと同じ時間に起床したうえで起床から11時間後に作業するのがベストです。

また、1日の中でも最も頭がよく働く時間帯は、起床から4時間後とされています。 クリエイティブな作業をするにはこの時間帯がベストですが、ここで力仕事をして、そのあと頭脳労働をすると、 思うような結果が得られません。本来ならば思い浮かぶはずのアイデアが出てこないという、もったいない事態になってしまいます。


◆できる人はピークシフトを自然に実践している

企業経営など「デキる人」は、ピークシフトを自然に理解している方が大勢います。 例えば、午前の早い時間帯にプレゼンテーションがあるときは、いつもより2時間早く起き、 そして外で日光を浴びるなど、経験則で脳力が発揮できる時間を調整しているのです。
ちなみに、リズム全体を大きく変えるには、少なくとも14日間の”シフト期間”が必要です。 14日間と聞くと最初は長く感じるかもしれません。しかし、「今までずっと解決できなかった睡眠の悩みが、 わずか14日間で解決できる」と思えば、短いものです。ピークシフトは光を浴びる時間や運動との関係がとても深いので、 室内での作業が多いホワイトカラーの方がシフトしにくい傾向にあり、より工夫が必要です。 外回りが中心の営業マンなどは外出の機会が多いので、デスクワーク中心の人に比べるとやりやすいと言えるでしょう。

【自分のベストな時間帯を把握しておく】

どんなに優秀な人でも、ずっとピークを保ち続けることはできません。 自分は、どの時間帯にどのような仕事をすればハイパフォーマンスを発揮できるのか・・・・・。 それを日々考えるだけでも、仕事の質は自然と上がっていくはずです。


■セルフチェックシートで睡眠の現状を把握

自分のありのままの状態を知る

◆問題点だらけでも、落ち込む必要はなし!

睡眠の問題を解決したいときは、まず自分の現状を知る必要があります。 そこで役立つのが、下記にある睡眠セルフチェックシートです。 「眠るまでに30分以上かかった」などの質問項目に対し、それが週何回あるのかをチェックします。 これらの質問は夜から日中にかけて時間順に並んでいるので、各該当項目を線で結び折れ線グラフを作ると 自分の悪い時間帯がいつなのかが、一目でわかるようになります。 このセルフチェックで重要なのは、「現状がこうである」と、今現在の状況を把握することです。 ただ、悪いところが多く見つかったからといって、必ずしもダメというわけではありません。 問題のある時間を確認して、生体リズムの調整をしながら変化を観察していきましょう。 また質問の下にある「トイレ」「いびき」など、睡眠中に起こりうる問題点を○で囲むと、睡眠の現状がよりわかってきます。


◆睡眠の悩みは大きく5つに大別される

このように睡眠の悩みをセルフチェックシートであぶり出していくと、問題点は大きく5つに分類されます。
A.寝付けない(眠るまでに30分以上かかる)
B.途中で起きてしまう(夜中に目が覚めた後、30分以上眠れない)
C.早く起きすぎてしまう(予定より1時間以上前に起きる)
D.眠った感じがしない(朝起きた後も体がだるい)
E.いつも眠い(ボーッと集中力を欠く)
この5つのいずれにも該当しない方は少ないと思います。まずは自分の睡眠事情を把握したうえで、 睡眠改善に取り組んでいきましょう。

【セルフケアこそ最高の治療方法】

睡眠に関するメカニズムさえ知っておけば、少しの工夫で毎日の生活を充実させることができます。 脳の活動は睡眠で大きく変えることができるので、まずは自分の状態を把握し、自分自身の改善について考える糧にしていきましょう。


  睡眠問題 なし 週に1回未満 週に1~2回 週に3回以上 毎日 時間帯
寝床に就いてから5分以内に眠った
眠るまでに30分以上かかった
何らかの理由で途中で起きてしまった 夜中
夜中に目が覚めて、30分以上眠れなかった 夜中
予定より1時間以上早く起きてしまった 早朝
朝起きられず、二度寝することがあった
眠った感じがしなかった
朝起きてから正午にかけて体が重かった 午前
何らかの作業中に耐えがたい眠気があった 日中
10 ボーッとして集中力を欠くことがあった 日中
トイレ 息苦しい いびき 寒い/暑い かゆい 痛い 悪夢
汗をかく 体が動く 子供 家族 その他(  )