超睡眠法第1章『ピークシフトで脳をマネジメントする』②起床

起床①1日の初めに眠っている脳を起こす。
起床②朝食で何を摂るかによって、やる気も変わる!?


■朝起きたら光を浴びて体内時計をリセットする

◆メラトニンの分泌を抑え、脳を目覚めさせる

正しいピークシフトの実践方法として、まず大事なのが朝、起きたときの行動です。 睡眠の3つのリズムの法則から「起床後4時間以内に光を見る」ことが重要なポイントとなっています。 起床時に頭がぼんやりしているのは、睡眠を促進するメラトニンがまだ脳内に残っているからです。 しかし光を浴びる、もしくは見ることでメラトニンの脳分泌量は減り、ようやく目覚めることができます。 このメラトニンの分泌を止める役割を担っているのが、脳内の「松果体」という部分です。 松果体は、脳の視床下部の中にある視交叉上核という神経核の後ろにあり、マスタークロック(体内時計の最高司令部) からの指令を受け、筋肉や臓器などに具体的な働きを指示しています。 人間の体内時計は25時間弱の周期で働いており、そのままだと私たちの生活リズムは少しずつ後ろにずれてしまいます。 しかし光を見ることで24時間周期になり、規則正しい生活を毎日送ることができるのです。 日が昇ってマスターロックが光を感知すると、松果体がメラトニンの分泌をストップさせます。 逆に日が沈むとマスターブロックは松果体に対し、メラトニンを分泌させるよう命令します。 暗くなると自然と眠気が増すのは、この作用によるものです。


◆起床1時間以内の生活導線を窓際に持っていき光を浴びる

光は、網膜からしか脳に到達しないので、全身に浴びる必要はありません。 また、直射日光である必要もなく、明るいほうを見るだけでOKです。 しかし、起床1時間後の光の効果が最大なので、家を出る前に光を見ることが大切です。 例えば、新聞を読む場所を窓際にするなど、生活動線を窓際に持っていくように作っておくと、 自然に脳の活動をスタートさせることができます。
ちなみに光の単位はルクスといい、晴れた日の屋外では1万ルクス以上、一般的なオフィスの場合は机の高さあたりで 500ルクスぐらいの明るさになります。脳が目覚めるには1000ルクス以上の光が必要です。 窓際は、その日の天気にもよりますが、5000ルクス前後まで上がります。 そのため、できるだえ起床したらすぐに窓から1メートル以内の場所で光を見るようにしましょう。 強い光ほど短時間で効果が出るので、自宅環境に合わせて動線を作ってみましょう。

【ピークシフトは光を見ることから】

起床時に光が入ってこない環境だと、脳が朝と認識せず、体内時計がずれて夜型になってしまいがちに。 防犯上の問題がなければ、朝になると自然と明るくなる環境で眠ると、朝のスタートが促進できます。


■朝は必ず食事をして体温を上げる

◆トリプトファンは夜の眠気を促す

「朝食は欠かさず食べる」というのは、ハイパフォーマンスを発揮するうえで欠かせませんが、ただ何となく食べればいい というわけではありません。メニューや量にちょっとした工夫を取り入れるだけで、仕事がサクサク進むようになるのです。 体を動かすエネルギーを作る炭水化物は、朝摂っておくべき栄養素です。 しかし摂り過ぎると、糖分が急激に増加し、インスリンが過剰に働くことで低血糖になってしまいます。 その結果、猛烈に眠くなり、朝からぼんやりして仕事がはかどらなくなります。 体を動かすための朝食なのに、これでは逆効果です。 そこで、メラトニンの原料となるトリプトファンを含む食べ物を多く摂るのが理想です。 具体的にはミルクやチーズ、さらには納豆や味噌汁といった大豆製品です。 これらを摂ると夜にはメラトニンが出て、自然に眠くなってくるというわけです。 また朝は体温の上がり始めなので、飲み物は暖かいものをおススメします。 種類はお茶でも紅茶でも、自分の好みで選びましょう。

◆ジョギング前には温かいものを飲む

昨今のジョギングブームで、出勤前に走る方も増えてきています。確かに体温を上げる意味では効果的なのですが、 体にかかる負担も大きく、血管が詰まりやすくなるリスクもあります。 そこでジョギングするときは、走る前に温かいものを飲んでおきましょう。 ある程度、体を温めてから筋肉を使うと、ジョギングの効果がより増します。 逆に冷たいものを飲むと体温が上がらず、心肺機能に負担がかかってしまいます。 また、平日も休日も朝起きたらまずパジャマから着替えてみましょう。 パジャマは放熱を促すつくりになっているので、それを着たまま朝食を食べていたら思うように体温は上がりません。 早めに着替えておけば、朝から体は動きやすくなります。 そして冬の時期は、起床の約1時間前に暖房のスイッチが入るようにすると,起きるころに部屋が暖まり、 自然に目が覚めるようになります。ただでさえ寒くて布団から出るのがしんどい季節ですから、 朝から活発に行動するのにもおススメの方法です。

【就寝スタイルからいち早く抜け出す】

朝はメリハリが大事。いつまでもパジャマを着ていると、就寝モードからの切り替えも遅くなってしまいます。 休日になるとパジャマ姿で昼ごろまで過ごすひともいますが、なるべくなら早めに着替えて充実した休日を過ごしましょう。