関節痛対策

物理療法と装具で痛みを軽減する

中高年になると多くの人が関節痛膝痛に悩まされます。 関節痛の現れ方は、軽い痛みが繰り返されるうちに本格的な痛みになる人、突然強い痛みが起こる人などさまざまです。 軽い痛みであっても、まずは病院で診てもらいましょう。 関節痛・膝痛の原因には加齢による軟骨や関節液の劣化が深く変わっていますが、加齢が原因だからといってあきらめる必要はありません。 さまざまな予防法改善法があります。 整形外科での変形性膝関節症の治療法には、 手術以外にも、湿布、消炎鎮痛剤の内服、ヒアルロン酸の関節注射、温熱療養、サポーターなどの装具、 水中歩行のような太ももの筋肉を強化する体操など、痛みを軽減ないし、予防する方法があります。
ここでは、家庭でできる痛みの対処法を紹介します。


■関節痛対策①物理療法

「物理療法」とは、物理的な力を利用した治療法です。 赤外線や遠赤外線などの輻射熱を利用するもの、マイクロ波、超短波、低周波などの電子を利用するものなどがあります。 最近では、病院並みの治療機器が家庭にも普及してきました。 物理療法による刺激を与えると、筋肉や腱の緊張の緩和、血管の拡張、血液やリンパ液の流れの改善など、多くの作用が相乗的に関節痛に対して働きます。 また、一時的に痛みをとるだけでなく、新陳代謝を促進し、本来体に備わっている自然治癒力を高める目的でも物理療法が用いられます。

【関連製品】
  『温熱治療器』
  『電子お灸』
  『マイクロカレント治療器』
  『低周波治療器』

■関節痛対策②サポーターやインソールの利用

関節痛に使われるサポーターには、保温を目的とするものと、固定・支持する目的のものがあります。 保温用は、関節が冷えるとすぐに痛むというタイプの人に適しており、固定・支持用は、骨に変形がある人や、痛みが強い人に用いられます。 膝の痛みがある人には、靴のインソール(中敷き)がよく利用されているようです。 二つのタイプがあり、一つは、クッション性を高め、歩くときの衝撃を吸収してくれるものです。 もう一つはO脚やX脚などで体重のかかり方が偏っているときに用いられるもので、 軟骨の健康な部分に体重がかかるように重心を移動させたり、O脚などを矯正するために使用します。

【関連製品】
『膝サポーター』

■関節痛を内側から改善

関節軟骨、関節液の成分を補給して痛みを軽減する

関節軟骨を構成している主成分は、 「コラーゲン」 とたんぱく質の核に 「コンドロイチン硫酸」「ヒアルロン酸」が複合した 「プロテオグリカン」、そして水分です。 コラーゲンやプロテオグリカンは、 「グルコサミン」というアミノ酸の一種を原料にして合成されます。 関節液の主成分はヒアルロン酸です。 コラーゲン、コンドロイチン硫酸、ヒアルロン酸、グルコサミンなどの成分は、加齢によって体内で合成される量が減少します。 関節軟骨の柔軟さや関節液の粘り気が失われるのは、元を正せば、こうした成分が減少したり劣化することが大きな原因です。 そこで、これらの成分を補給することが、関節軟骨と関節液の健康維持に役立つと考えられ、 痛みが起こる前に体の内側から関節をサポートすることや、症状が現れたときに痛みを和らげるなどの利用法があります。

【関連項目】
『グルコサミン&コンドロイチン』
『MSM』
『プラセンタ』
『キャッツクロー』

■関節痛改善には運動と適正体重の維持が必要

肥満を解消し、筋力アップして痛みを軽減する

関節痛を予防するためには、肥満がある人は体重を減らすこと、運動不足の人は膝に負担のかからない運動を行って筋力をつけることが大切です。 運動は関節軟骨に栄養を行き渡らせるためにも不可欠です。 軟骨には血管がなく、関節液から栄養を得ているので、圧力をかけたり抜いたりするスポンジのような働きが加わって、初めて栄養が吸収されるのです。 歩行などの運動で圧力がかからないと栄養を行き渡らせることがきません。 運動は筋肉を衰えさせないためにも大切です。また、弱った軟骨に最も負担をかけるのは自分の体重です。 適正体重を維持できるように、食事と運動の両面から心掛けましょう。

【関連サイト】
『高脂肪症(肥満症・メタボリックシンドローム)対策』
『運動不足解消』

●関節痛予防としての「筋力トレーニング」の必要性

一般に、加齢によって減少しやすい筋肉は腹部と大腿前部の筋肉で、いずれも姿勢を保持するために重要な部位です。 これらの筋力が弱いと体重を支えることが負担となり、結果的に関節痛や腰痛に繋がることがあります。 これを予防するためには筋力トレーニングが効果的です。 スクワットや状態起こしなど自分の体重を利用し、最初は無理なくできる回数から始めるとよいでしょう。 もちろん、正しい姿勢で行うことが重要です。また、筋力トレーニングによって加齢による筋肉量の減少を予防することは、 関節痛や 「腰痛」だけではなく 「糖尿病」の予防にもつながります。