肝膿瘍

■肝膿瘍の症状と特徴

肝臓の中に膿が溜まる病気です。細菌が原因の化膿性肝膿瘍と、赤痢アメーバ原虫が原因のアメーバ性肝膿瘍があります。 日本では90%が化膿性肝膿瘍です。 化膿性肝膿瘍は、40℃に近い発熱、悪寒、右上腹部痛、黄疸、肝臓の腫れ、倦怠感、食欲不振、体重減少、貧血などが見られます。 横隔膜近くにできる肝膿瘍は、胸痛や呼吸困難を引き起こします。 進行すると、ショックや敗血症、多臓器不全を起こし、命の危険に関わることもあります。 アメーバ性肝膿瘍の症状はおおむね化膿性肝膿瘍と同じですが、横隔膜を介して膿瘍が広がっている場合は、胸痛や咳がらみられることもあります。 下痢、血便がみられることや、症状が軽いときには感染後、数年経ってから発見されることもあります。


■肝膿瘍の原因

細菌、真菌、寄生虫などによる感染で引き起こされます。 化膿性肝膿瘍は、胆石症膵臓癌胆道(胆管、胆嚢)癌虫垂炎大腸憩室に伴うもの、敗血症に続いて起こるものなどがあります。 近年、高齢者の間で増加しています。 アメーバ性肝膿瘍は、大腸内の赤痢アメーバ原虫が肝臓に運ばれて起こります。 熱帯の感染地域での飲食による感染や性行為を通じての感染が多いようです。


■肝膿瘍の治療

抗菌薬、抗現中薬を服用します。