胃食道逆流症

胃食道逆流症』は、胃酸が食道に逆流して起こる病気です。 食道にびらんができるタイプと、そうした異常が見つからないタイプがあります。


■胃食道逆流症とは?

逆流した胃酸が食道を傷つけ、胸やけなどの症状が現れる

『胃食道逆流症』は、その病名が示すように、「胃酸」や胃の内容物が食道に上がってくることで引き起こされる 病気です。胃液に含まれる「胃酸」は、食べたものを溶かしてしまうほど強い酸性ですが、胃の粘膜には、 胃酸から胃を守る働きが備わっているため、胃液が障害されることはありません。 ところが、食道の粘膜にはそのような働きがありません。そのため、胃酸が食道に上がってくると、 粘膜にびらん(だだれ)ができたり、何らかの症状が現れたりする病気です。 胃食道炎逆流症は、次のような2つのタイプに分けられます。

▼逆流性食道炎
内視鏡検査で、食道の粘膜にびらんが見つかるタイプです。

▼非びらん性逆流症
症状はあるものの、内視鏡検査で食道の粘膜にびらんが見つからないタイプです。

かつては、内視鏡検査でびらんが見つからなければ、たとえ症状があっても、異常なしと診断されることがよくありました。 現在は、患者さんの症状を重視するようになっています。 「胸やけ」「胃酸の逆流感」「呑酸(酸っぱいものがこみあげてくる)」などの症状が、週に1〜2回以上ある人を調べたところ、 その6割以上は内視鏡検査で異常が見られなかったというデータがあります。 また、このような非びらん性逆流症の症状は、炎症やびらんのある逆流性食道炎と変わらず、 非常に強いことがわかっているのです。

◆それぞれ起こしやすい人が異なる

胃食道逆流症の発症には、ライフスタイルが大きく関わっています。胃逆流性食道炎は年齢や性別、体型によらず発症しますが、 「中高年男性」で「太り気味の人」に多い傾向があります。 非びらん性逆流症は、「若い人」「女性」「痩せている人」に多い傾向があります。 また、几帳面でまじめな性格の「ストレスをためやすい人」に多いと言われています。


●気を付けたい症状

長く続く胸やけや呑酸などがあれば、早めに受診する

胃食道逆流症の症状で最も多く起こるのは「胸やけ」です。胸の中央部分からみぞおちの上の方が熱く感じられたり、 焼けるように感じられたりします。酸っぱいものがこみあげてくる「呑酸」も、胃食道逆流症の典型的な症状です。 これらのほかに、「胃もたれ」「吐き気」「喉の不快感」など、さまざまな症状が現れることがあります。 これらの症状は、その人の生活の質に大きな影響を及ぼします。 特に胸やけがあると、好きなものが食べられないなど、食生活に影響が現れてきます。 また、胸やけがあることで集中力が低下し、仕事や勉強に支障を来すこともあります。 前に挙げたような症状がある場合には、我慢せず、医療機関を受診することが勧められます。