十二指腸潰瘍

■十二指腸潰瘍の症状と特徴

十二指腸は胃と小腸をつなぐ消化器官で、指を12本並べたのと同じ長さであることからこの名が付いています。 十二指腸潰瘍は、十二指腸球部と呼ばれる十二指腸の壁に潰瘍ができる病気です。 空腹時に痛みや重苦しさを感じることが多く、食事を摂ると痛みが軽くなるのが十二指腸潰瘍の特徴です。 食事をすると一時的に症状が軽くなります。しかし食事から2、3時間するとまた痛くなります。 また、しばしば夜間に上腹部や背中が痛くなります。 十二指腸潰瘍が出血すると、吐血や下血(黒いタール便)がみられます。 大量の出血をすると、ショック状態を起こし、死に至ることもあります。 また潰瘍のために十二指腸潰瘍球部が狭くなると(狭窄)、食物が通りにくくなります。 潰瘍がさらに進んで穴が開くと(穿孔)、非常に強い腹痛が起こります。 十二指腸の周りには肝臓や胆嚢がありますが、十二指腸による穿孔が進むと、肝臓や胆嚢にも穴を開け、 肝膿瘍急性胆管炎を起こすことがあります。 穿孔の症状が現れると、緊急に手術が必要な場合があります。 胃潰瘍に比べると、十二指腸潰瘍は30代以下の若い世代に発症しやすく、男性が女性の2倍かかりやすいとされます。 身体的ストレスによって乳幼児に発症することもあります。精神的ストレスによる小学生の十二指腸潰瘍も増えています。 ピロリ菌に感染している割合は胃潰瘍の場合よりも高く、 100%近くの十二指腸潰瘍患者に認められます。


■十二指腸潰瘍の原因

十二指腸潰瘍では、主に胃幽門部にも炎症がみられます。 その結果、ピロリ菌が産生するアンモニアなどが幽門部粘膜のガストリン産生細胞(G細胞)を刺激し、ガストリンが産生された結果、 胃酸の分泌が亢進し、粘膜の傷害を進めます。 また、ピロリ菌は胃酸分泌を抑制する物質の分泌を抑制するため、結果として胃酸をさらに分泌させ、潰瘍を発症させると考えられます。


■十二指腸潰瘍の治療

十二指腸潰瘍は胃潰瘍より治りやすいといわれますが、胃潰瘍より再発しやすい側面もあります。 治療方法は胃潰瘍と同様です。出血がある場合は内視鏡を用いて止血を行った後、ピロリ菌の除菌を第一選択として行います。 通常、十二指腸潰瘍では、胃切除は行いません。穿孔があるときに、穿孔部分を塞ぐ手術を行います。 最近では腹腔鏡手術も試みられ始めています。 そして胃潰瘍と同様の薬物治療を行い、規則正しい食生活を送り、再発を防ぎます。