悪玉菌の発生を抑え、腸内環境を整える水とミネラル

■体内菌叢で健康状態がわかる

人間の体は、60兆個といわれる細胞で成り立っています。それぞれのポジションによって、それに適した細胞形態になっています。 一つ一つの細胞はそれぞれ独立した機能を持っていて、血液やリンパ液から栄養素を受け取り細胞を維持します。 早い細胞では毎日入れ替わり、長く持つ細胞でも3ヵ月とか6ヵ月で入れ替わっています。 人体細胞は60兆ですが、人体には、それ以上の菌が存在しています。 成人の腸内には100種、100兆個以上の菌が存在し、その菌の種類で健康か不健康かに分かれてしまいます。

人体では、常に善玉菌と悪玉菌が勢力争いを続けています。腸内菌は、食物の分解、ビタミンの合成や免疫など多岐にわたって関与しており、 体内の菌叢によって、健康状態が変わってしまいます。 その細菌類もまた、細菌細胞の70~85%は水分で占められ、それぞれの栄養素の取り入れ方や飲んでいる水の内容によって繁殖の仕方が変わってしまいます。 人間の便の30~50%は、腸内の細菌、微生物によって占められ、その便に強い臭いがある場合は、悪玉菌が優勢になっています。 善玉菌が優勢ならば臭いはしません。 乳酸菌は、増殖するときに乳酸や酢酸を作り、腸内で優勢でなくてはなりません。酢酸菌も炭水化物を最終的に酢酸に変えます。 ミネラル類には消化酵素がないので、乳酸菌や酢酸菌が出す酸でミネラルをイオン化し、それぞれに結合させて腸内吸収を高めています。

悪玉菌の多くは、腐敗菌で、たんぱく質を分解して腐敗物質に変えてしまいます。 腐敗物質は、硫化水素、アンモニア、多くのアミン類、フェノール物質、インドール、メチルカプタン、カプタンなどの成分を作ってしまいます。 これが、悪臭のもとなのです。この腐敗物質が多くあると人体は、老化促進されたり、病気になったりします。 硫化水素は、呼吸器の原因。アンモニアは、肝性昏睡の原因。アミン類の中のヒスタアミンは、アレルギーや潰瘍の原因となり、 ニトロアミンは、胃がん、大腸がん、膀胱がんなどのがんを促進します。 フェノール類は、皮膚がん、肝障害の原因。インドールは、白血病、リンパ組織の悪性腫瘍、膀胱がんの原因となり、人体にとって悪玉菌、 悪役微生物が生み出す物質は、体中をむしばんでいくことになってしまいます。 健康状態を維持するうえで、便の臭いは判断の要因となります。便は、健康のバロメーターであり、きれいな便、悪臭の少ない便ほど正常で、 健康状態が良いということです。


■悪玉菌の発生を抑える水とミネラル

人体の老化を促進させる悪玉菌をできるだけ抑えるためには、食べ物と水を考えなくてはなりません。 野菜類、果物、乳製品、海藻類などビタミン、ミネラルの多い食品をよく摂り、添加物や農薬ができるだけ少ない食品を選びましょう。 添加物や農薬などの化学物質は、体から排出したり、分解したりするときに、体内のビタミンやミネラルを使ってしまいます。 そのうえ、普段からミネラルの不足した食品を食べていれば、ミネラル不足になってしまいます。 活性酸素を消すためにもミネラルは必要ですが、ストレスや睡眠不足、過労などでミネラルが不足した体にはさらに多くの活性酸素が発生して ミネラルを消費してしまうという悪循環になってしまいます。

生き生きした食品をとるには、洗う水や調理するときの水、加える水も変える必要があります。 食べる前に、素材の酸化物を中和して、ミネラルを増やしてからでないと、材料本来の力が発揮できない状態なのです。 水にイオン化ミネラルを加えると悪玉菌が生産する硫化物、インドールなどの臭み、アンモニアなどの窒素酸化化合物などを中和・分解し、臭みを消します。 イオン化ミネラルの有機酸がアンモニアを中和し、硫化物やインドール、カプタンなどはカルシウム、マグネシウムなどのミネラルが中和します。 簡単なテストとして、イオン化ミネラルの300倍希釈液を腐った生ごみにスプレーしておくと、臭みは消え、素材の匂いしかなくなります。 カルシウムやマグネシウムなどの有機酸型ミネラルが増加すると、腐敗菌に対してその増殖を抑える働きがありますから、 腐敗菌が抑えられれば乳酸菌が優勢に増殖して腸内の菌叢を変えることになり、腐敗菌が劣勢になれば、有害腐敗物質の生成が少なくなり、 臭いも消えていくのです。


■快便のために、食物繊維+ミネラルは必須です

快便は、快食、快眠の結果です。それには、食物繊維の摂り方が大事で、取り入れたい食材としては、野菜、果物、海藻、コンニャク、寒天などがおすすめです。 食物繊維は、かつての栄養学では、「人体の構成成分やエネルギーにならないので、役に立たない食べ物である」といわれてきました。 現代では、栄養にならない栄養素として重要視されるようになりました。 ただし、食物繊維は大量に摂取すると、必要なミネラルも排出してしまい、ミネラル不足になります。 快便のために、普段より食物繊維を多く食べたら、不足しがちなミネラル摂取量も増やさなければなりません。