トイレが近いからと水を飲まないのは危険です

■私たちの体の60~65%は水でできている

年齢、性別、体の大きさによって違いはありますが、人間の水は、血液や細胞の間にある体液として大切な役割をしています。 水は、食道を通り、胃、十二指腸、小腸、大腸をめぐり、ほとんどの水が小腸、大腸で吸収されて血液に送られます。 水は、摂取される量と排出される水分量のバランスを保たなければなりません。 水分量のバランスが悪くなると、血液はドロドロと粘り、血流が悪くなり、酸素が運ばれにくくなります。 それによって、体の機能が低下し、脳梗塞や心筋梗塞などの血管が詰まることによる病気を引き起こします。 また、細胞全体の水分が失われ、代謝が正常に行われず、組織が壊れてしまいます。 血管内の圧力も低下し、低血圧状態にもなります。食事の栄養素も十分に消化、吸収ができなくなり、便秘になったり、体調不良の原因にもなります。 脱水症状が悪化すれば、命の危険にもなりますので、吸収よく水分を取るためにも一度に飲む水の量は、200ml~250mlくらいでゆっくり飲むようにしましょう。


■水の役割とは?

水は、血液を使って、体中に熱を運びます。体温が上がりすぎたら、汗をかいて、皮膚から熱を奪い体を冷やして、熱を下げる体温調節を行っています。 また、体の中の不要なもの、毒素を出すために尿などにして、排出する役割もあります。 血液から運ばれるさまざまな栄養素も水によって運ばれています。 人は1日尿で1.5㍑、汗で0.6㍑、吐く息で0.4㍑の水を失っています。失われた分は、補給するように1日最低1㍑から1.5㍑の水分は補給しましょう。


■熱中症に最適な水とは?

酷暑の中、炎天下で体を動かす仕事、スポーツ、遊びなどを行う際には、暑さ対策が必要です。 炎天下で体を動かすということは、大量に汗が失われてのどが渇きます。それを放っておくと脱水症状を起こしてしまいます。 高湿環境下に長時間おかれ、高熱にさらされた場合に起こる病気を熱射病と呼び、


①日射病
②熱疲労
③熱痙攣

の3つに大別されます。いずれも重大な病気です。それらより少し軽い状態の病気を『熱中症』といいます。
炎天下での行動は、帽子をかぶり、常に水分補給ができるように、500mlぐらいのペットボトルか水筒を持つようにしましょう。 水分補給は、15~20分おきに、1~2口飲みます。それを繰り返すのが一番良い飲み方です。 一気にゴクゴクと大量に飲み干すのはよくありません。体に吸収されず、汗や尿で排出されてしまいます。
水の中身も重要です。
500mlの水に、イオン化ミネラルを1ml、ミネラル塩3~5g、アミノ酸やクエン酸も混ぜた水が理想的な水になります。 これは、ビタミン、ミネラル、アミノ酸のリンゲル液となり、「飲む点滴」になります。 熱中症対策にはもちろん、疲労回復、筋肉回復、ミネラル、アミノ酸、ビタミンバランスを整える最適な水となります。


■汗をかくとミネラルも失う

運動中は、短時間でも大量に水分を失っています。運動をすると体温が上昇します。すると体は、発汗することで体温を下げようと、自己調節します。 この時、水分補給できないと、血液中の水分が減り、血流が低下します。 そうなると体は水分不足を察知して、汗が出にくくなり、体温調節がうまくいかなくなってしまいます。 血流が低下すれば、少ない水分の血流を促すため、心臓の負担が増えます。 血流は疲労物質を運ぶ役割もしますから、疲れがたまりやすくもなります。

人間の体は約60%が水分ですが、一般に体重の3%、60kgの人なら1.8㍑の水分が失われただけで軽い脱水(高張性脱水)状態になって、 運動能力が低下するといわれています(5%で中等度、10%で高度、15%超で死に至ります)。 逆に、水分の喪失が体重の2%以下であれば、運動能力を保つことがわかっています。 ですから、30分を超えるような運動をする場合は、運動中にもこまめに水分補給をすること。 その際、あらかじめ自分の発汗量を知っておき(スポーツをした前後で体重を測定する)、その3/4を目安に補給するのがよいとされています (その量が多いときは数回に分けて補給します)。 ちなみに、人ののどの渇きの感覚は非常に不正確で「のどが渇いた」と感じてから水分補給をするのでは遅いといわれています。

一方、脱水には水分不足の他に、ナトリウム不足が原因で起きるものがあります。運動をすると汗からのナトリウム排出が大幅に増加します。 多量の発汗があったのに、水しか飲まなかった場合などには、このナトリウム欠乏型の脱水(低張性脱水)が起こります。 また、水分とナトリウム欠乏とがほぼ同じ割合で起こっている混合性の脱水(等張性脱水)もあります。 汗、すなわち人の体液は、ナトリウムのほか、微量ではあってもカルシウム、マグネシウム、カリウム、鉄、亜鉛、マンガンなどのミネラルも含有しています。 発汗が多量になると、それらのミネラルも失われていき、そのバランスが崩れてしまいます。 すると、当然、神経や筋肉の働きなどが狂い、運動能力が低下し、さらには筋肉の痙攣など思わぬ事故につながってしまいます。 ですから、運動前・中・後の水分補給は、単なる水ではなく、こうしたミネラルを吸収しやすい形で含んだ水を補給することが重要です。 イオン化ミネラル水は、運動能力を高めるのに欠くことのできない栄養素なのです。