ミネラルの主な働き

ここでは、毒性物質(酸性物質)の中和・解毒役であるミネラルそれぞれの働きを簡単に説明します。

ミネラルの主な働きは
▼体内の各細胞の働きの調整をする。
▼筋肉に作用し筋細胞の収縮に必須。
▼ホルモン分泌の調整に必須。
▼神経細胞の情報伝達に必須。
▼消化液の分泌細胞に必須。
▼卵子、精子細胞に必須、受精に不可欠。
▼細胞のDNA(遺伝子)に作用。分裂に必須。
▼造血に作用し、血中濃度を一定に保つ。
▼リンパ球の活性化を図る。


■マグネシウム

成人の体の中のマグネシウムの量は約25gで、その60%は骨に存在していて、細胞内のイオンとして働きます。 目標所要量はカルシウムの2分の1で、1日350mgとされています。そのためか、カルシウムとマグネシウムの摂取量は、カルシウム2に対してマグネシウム1が 理想だとされているのですが、人体全体の体内存在量はカルシウム46対マグネシウム1と、圧倒的にカルシウムが多いので、 必ずしも2対1でなくても問題ありません。
マグネシウムは、リン酸と結びつきやすいイオンで、リン酸マグネシウムとなります。この形は沈殿せず水溶性のままなので、血液の乗りやすく、運びやすい形です。 こうしてリン酸マグネシウムは骨まで運ばれ、カルシウムと置き換えられ、骨の成分となります。
主な働きは、
▼各細胞の働きを調整し、カルシウムと相対しながら共働している。
▼筋肉の収縮に作用して、カルシウムと相対しながら共働している。
▼神経細胞の電気的興奮を作りその情報伝達に必須。カルシウムと共働している。
▼酸素、補酵素として、エネルギーの産生と消費に必須。
▼細胞の維持に必須。

マグネシウムはカルシウムと共働しているため、その他の働きもカルシウムと同様と考えられています。 また、カルシウムとマグネシウム、そしてリンの間には三角関係的な要素が多くお互いに関与しあっています。 そのため一つが突出すると平衡が崩れやすい状態になるため、バランスを整えることが大切です。

【関連項目】:『マグネシウム』

◆ワンポイント

ちなみにマグネシウムは水溶性になりやすいイオンなので、調理上で損失が大きいとされています。 煮炊きをする水にイオン化ミネラルを加えておくと、その損失は少なくなります。


■カリウム

カリウムは、常にナトリウムと拮抗しており、エネルギー代謝と膜輸送に決定的な役割を果たしています。
主な働きは
▼細胞内のミネラルバランスの調整をする。
▼体液をアルカリ性に維持、調整。
▼神経筋と親近の電動伝達に必須。
▼血圧上昇を抑え、低下させる。(カルシウムと連動して働く)

食べ物から摂取されたカリウムは、体内に90%吸収され、残りの10%が排泄されます。これは、カルシウムや鉄、亜鉛などに比べると、かなり高い吸収率であるため、 不足は起こらないとされています。


■ナトリウム

ナトリウムは人体細胞においては、常にカリウムと拮抗しています。
主な働きは
▼細胞内外の浸透圧の維持。繊毛細胞、心臓拍動、筋肉収縮に必須。(カリウムと連動している)
▼神経の刺激伝達に必須。
▼エネルギー酸性に必須。(ほかのイオンと共働している)
▼胆汁、膵液などのアルカリ性消化液の成分。