骨の老化予防をミネラルで対策をする
■骨はカルシウムの大切な貯蔵庫
骨の成分は、大部分がカルシウムとリンなどの無機質です。 骨には、身体の中にあるカルシウム全体の約99%、リンの約85%が蓄えられています。 無機質以外はコラーゲンなどの有機物からできています。また、カルシウムの貯蔵庫としての大切な役割があります。 カルシウムは、生命維持に最も重要なミネラルで、血液や細胞内のカルシウムが不足してしまうと骨に蓄えられていたカルシウムが骨から溶け出して放出され、 血管を通して供給されます。骨の代謝を調節するのは、
▼ビタミンD
▼副甲状腺ホルモン
▼カルシトニン
などのカルシウム代謝調節ホルモンと女性ホルモンです。 ビタミンDは、腸管からのカルシウムの吸収を促し、血液中のカルシウムが低下したときは、副甲状腺ホルモンと共に骨の吸収を促進して、 血液中のカルシウム濃度を高めて維持します。血液中のカルシウム濃度が高くなりすぎるとカルシトニンというホルモンが分泌され、 骨からのカルシウムが溶け出して、放出されてしまうのを抑制します。 女性ホルモンには、骨からカルシウムが放出されるのを抑える作用があるので、閉経後は、女性ホルモンの分泌が低下することで、 カルシウムの放出が高まり、骨の量が減少してしまいます。
■生きている限り骨が作られる仕組み
骨は、私たちが生きている限り、新しい骨に生まれ変わるための新陳代謝を繰り返しています。
骨吸収とは、骨からカルシウムが放出されてしまうこと。古くなった骨のカルシウムやコラーゲンを分解・吸収する破骨細胞の働きで、
古い骨が壊されることをいいます。新しい骨が作られることを骨形成といい、骨の表面にコラーゲンを作り、
そこに血液から運ばれたカルシウムを付着させる働きを持つ骨芽細胞で新しい骨は作られます。
加齢とともにこの骨の新陳代謝のバランスは崩れ、骨の形成は徐々に衰えます。
女性ホルモン分泌の低下により、高まるカルシウムの放出を和らげるためにも、カルシウムは大切なミネラルなのです。
日本の国土にはカルシウムが極めて不足しています。飲料水や、動植物などのカルシウム含有量も少ないので、意識して摂るようにしましょう。
【関連項目】:『骨粗鬆症』