鉄不足は深刻です。なんと女性の3分の1が鉄不足

■こんな症状がありますか?

貧血、物忘れ、注意力散漫、神経過敏、頭痛、めまい、冷え性、顔色が青白い、朝なかなか起きられない、寒さに弱い、風邪を引きやすい、 細胞性免疫機能の低下、病気への抵抗力低下を感じる。こんな方は鉄不足を疑ってみる必要があります。


●鉄ミネラルの働き

▼血液中や筋肉中での酸素運搬
▼活性酸素除去
▼タンパク質代謝
▼免疫機能の正常維持

体内には3~5g存在し、主に血液中のヘモグロビン中にヘム鉄として存在しています。 残りは筋肉、あるいは貯蔵鉄として肝臓や骨髄などに貯蔵されます。
体内の鉄が不足すると、貯蔵鉄が放出される仕組みです。 鉄はエネルギー生産になくてはならない重要なミネラルで、血液中では赤血球ヘモグロビンの構成成分として酸素を運搬しています。 筋肉中では、ミオグロビンとして酸素の輸送、筋肉収縮に必要なエネルギーを供給しています。 また、細胞内では電子の輸送のためにも働いています。 鉄は吸収性が悪く、しかも一度吸収されるとあまり排泄されないという性質ですので、過不足のコントロールが難しいミネラルといえます。


●鉄過剰症

便秘、胃腸障害、腹痛など、長期にわたって過剰摂取すると出血性下痢を引き起こすこともあります。 健康維持量は、成人男性で約10mg、世人女性で約12mgです。


●女性は男性の1.5倍鉄が必要

女性の場合は、閉経前と閉経後では損失量が違ってきます。閉経前は、1週間当たり30~40mlの血液損失があり、損失量は0.4~1.5mg/日となり、 男性に比べると1.5倍鉄を多く摂る必要があります。なかには、1周期当たり100mlを超える血液損失をする人もいます。
鉄が欠乏すると貧血になりますが、ほかにも心臓や脳など、生命維持に重要な臓器を優先した血液分布の再分布、心拍出量の増加が出現します。 さらに、貧血が進み、血液の酸素運搬機能の低下をできなくなると、アシドーシス(酸素過多症)になり、生死の境をさまようことになります。 行動異常や認知機能の低下、体温維持機能の低下、感染症の感染率も上昇します。
また、労作能力も低下し、持続力がなくなり、動けなくなったり、過呼吸に陥ったりすることもあります。 筋肉機能の低下が同時に起こるので、鉄分の補給は運動をする人には、特に重要です。 ただし、過剰に摂取すると鉄過剰症になり、体内で活性酸素などを発生させ、体に悪い影響を及ぼすので注意が必要です。