脂質異常症予防の基本ルール

悪玉コレステロール中性脂肪を増やす・減らす食事の基本ルールをご紹介します。


■コレステロールを多く含む食品

マヨネーズやケーキ類も要注意

コレステロールを多く含む食品として覚えておきたいのは、鶏卵、魚卵(タラコ、いくら、カズノコなど)、レバー他モツ類など。 マヨネーズなど卵を使った加工食品、卵・牛乳・生クリームなどを組み合わせたケーキやカステラなども要注意です。 肉類やバターなどの動物性脂肪は、それに含まれるコレステロールそのものはさほど多くはありません。 しかし、体内に入ると悪玉コレステロールを多く合成することがわかっています。 肉に含まれるタンパク質は、高齢になっても、体内の新陳代謝を維持するために必要な栄養素です。 脂肪の少ない部位を選んで食べるとよいでしょう。一方、イカ・エビ・タコ・貝類に含まれるアミノ酸のタウリンは、 胆汁酸の分泌を促すことで、コレステロールを低下に導きます。野菜や海藻などの食物繊維は、コレステロールの吸収を抑えて、 体外へと排出してくれるので、これも積極的に摂りたいもの。青背魚(サバ・イワシ・マグロなど)、ナッツ類、 オリーブ油に含まれている不飽和脂肪酸には、善玉コレステロールを増やしつつ、中性脂肪を下げる作用があります。
なお前ページでご説明したとおり、悪玉コレステロールは血管壁に入り込んで、活性酸素によって酸化することで 動脈硬化の進行を促します。そのため、活性酸素を取り除く、抗酸化作用を持つ栄養素(ビタミンA、ビタミンC、ビタミンEなど) を摂ることも大切。ニンジン、カボチャ、ブロッコリー、ホウレン草、トマトなどの緑黄色野菜を、1日120gを目安に食べるようにしましょう。


●中性脂肪の上昇を招くのは白米やパン

中性脂肪を上げる食品といえば、まず肉類などの脂っこいものと考える方も多いかもしれませんが、それは誤解といえます。 問題は炭水化物の摂り過ぎによって、血液中にブドウ糖(血糖)が溢れてしまうこと。 その結果、エネルギーとして使われずに、余ったブドウ糖が肝臓に運ばれて、中性脂肪が作られるのです。 すなわち、白米、パン、うどんなどの主食品のほか、せんべい、飴玉などのお菓子も食べ過ぎは控えたいもの。 特にこうした炭水化物を早食いすると、食後血糖値が一気に上昇して、膵臓からインスリンが大量に分泌されます。 インスリンには、余ったブドウ糖を中性脂肪に変えるように促す作用もあるのです。 食事はゆっくりよく噛んでいただくこと、または主食の前にサラダなど野菜類を先に食べておくことが、脂質異常症を遠ざけるコツといえます。


●1日2合のお酒に善玉を増やす効用

飲酒については、決して厳禁とする必要はありません。むしろ、1日2合程度のお酒を飲むと善玉コレステロールが増える、 肝臓に付いた脂肪も減少するという報告があります。お酒の種類は好みもあるので蒸留酒(焼酎、ウィスキーなど)と 醸造酒(日本酒、ビール、ワインなど)のどちらを飲んでもよいでしょう。 2合までであれば、お酒の糖質は体内とどまらず、燃焼して消費されます。 ただし、砂糖を含む梅酒や果汁系のカクテルは控えるようにしたいものです。 なお、適度な運動をすると血液循環がよくなり、血中脂肪を分解する酵素が活性化します。 悪玉コレステロールと中性脂肪を減らし、善玉コレステロールを増やすことにつながるのです。 専門的なトレーニングをするというより、家事などでこまめに体を動かすほか、まずは1日8000歩歩くことを目標にすると良いでしょう。、