田七人参

田七人参には、サポニン、 田七ケトン、有機ゲルマニウムフラボノイドなどの成分が含まれており、 ミネラルビタミン類も豊富です。 特に、田七人参は 高麗人参の数倍以上のサポニンを含んでおり、 中でも「ジンセノサイド」というサポニンは現在注目を集めています。 田七人参は、 活性酸素を撃退し血流を改善することから、血流改善・高血糖対策に有効といわれています。


■田七人参とは?

サポニンが豊富に含まれている

「田七人参」は、高麗人参と同じく「ウコギ科ニンジン属」の多年生草本の植物です。 人参属の中では最も原始的なもので、2億数千万年前から存在している「最古の人参」とされています。 中国雲南省を中心として環境の厳しい高山の傾斜地のみに生育し、3~7年の期間をかけて土壌の栄養分を吸収しつくすほど、生命力あふれる植物です。

薬用としての田七人参は、もともと中国広西省の洞穴に自生してしていた植物を家栽化したもので、 種をまいてから3~7年経たないと収穫できないところから、三七、田七、田三七とも呼ばれています。 原産地では古くからその薬効が知られていましたが、中国の医学に組み入れられた歴史は浅く、16世紀に李時珍が著した薬学書「本草綱目」が初出です。 田七人参は、漢方では薬効が高い高価な生薬として知られ、別名「金不換」とも呼ばれており、近年に至るまで中国では国外輸出が禁止されていました。

田七人参は、サポニン配合体を始め、田七ケトン・ フラボノイド有機ゲルマニウムステロール鉄分亜鉛ビタミン各種ミネラルなど、多彩な天然成分がバランス良く豊富に含まれています。 田七人参は、止血作用と活血(血液循環の改善)作用という、一見相反する性質を併せ持ちます。 また、抗ウイルス作用、抗コレステロール作用、抗腫瘍作用があるとされるため、 虚血性心疾患肝炎の初期治療薬として有望視されています。 さらに、田七人参は高麗人参の数倍以上のサポニンを含んでおり、中でも「ジンセノサイド」というサポニンは現在注目を集めています。  


■期待される効能

高血圧や心臓病に対する改善作用。肝臓保護作用。不定愁訴の改善作用。抗癌作用。抗炎症作用。


■作用メカニズム

田七人参の有効成分として、サポニン配合体に分類されるジンセノサイドがあり、 田七人参に含まれるジンセノサイドの含有量は、高麗人参よりも多いとされています。 田七人参の効能は、これらのジンセノサイドに加えてビタミンやミネラル、アミノ酸などが複合的に作用することで得られます。 具体的には、心臓の栄養血管である冠状動脈の拡張作用や血管抵抗の低下作用が示されており、心臓病や高血圧に対する効果が期待されます。 また、不整脈に対する効果もあるとされます。 抗炎症作用として、実験モデル動物を用いた研究において、田七人参がホスホリパーゼA2活性の阻害を介して抗炎症効果を発揮することが示唆されています。 また、湧永製薬の研究によると、田七人参の経口投与による実験において、肝障害モデルラットでは肝障害抑制効果が示され、 血管透過性亢進モデルマウスでは抗炎症作用が認められたといいます。 さらに、動物実験では、認知機能の改善など脳の高次機能に対する効果も報告されました。


■科学的根拠

田七人参の効果に関して、中国の研究機関からたくさんの研究が報告されてきました。 具体的には、血栓症や不整脈への効果、赤血球変形能の改善作用、心筋の虚血と再還流に伴って生じる酸化的ストレスの低減作用などがあります。 田七人参の持つ改善作用に関して、網膜の循環障害を持つ患者を対象にした臨床試験が報告されています。 73名の患者を対象に、田七人参を投与したところ、網膜の出血や浮腫といった循環障害に伴う所見が改善したといいます。 また、58名の糖尿病性腎障害の患者を対象にして、 田七人参の効果を調べた臨床試験では、腎臓における微小循環改善効果、血管粘度の低下(改善)効果、 尿中に排泄されるアルブミン量の低下(改善)効果が示されました。 田七人参の肝臓保護作用に関する報告もあります。肝臓の70%を切除した後に田七人参を投与することで、肝臓細胞の再生促進作用や保護作用、 肝循環改善作用などが認められました。 広島大学のグループによる研究では、疲労・倦怠感や食欲不振など種々の症状を訴える患者54名に対して田七人参を4週間投与したところ、 症状の改善が認められたといいます。 田七人抽出物を1350mg/日の用量で30日間投与した臨床研究では、持久運動における運動耐用能の向上が認められたそうです。 その他、抗癌作用、抗真菌作用、抗酸化作用、抗糖尿病作用、精子の運動能改善作用などが報告されています。


■摂取方法

短期間では効果が期待できないので、継続して利用します。


■注意事項

田七人参の成分に対して、口渇感や動悸、発疹、悪心や嘔気、不眠などを認めることがあります。これらの症状がみられたら使用を見合わせます。 一般的には、特に問題となる健康被害や副作用は知られていません。 なお、何らかの医薬品を服用している場合は、主治医に相談の上、利用するようにします。