『四つん這い体操』③症状改善例

3週間行った四つん這い体操で、神経ブロック注射が無効の脊柱管狭窄症腰痛が改善し、家事でも不自由なし。 四つん這い体操を3ヶ月行ったら、脊柱管狭窄症の腰痛がほぼ解消し、好きなゴルフを行っても平気。


■症状改善例

以下は某クリニック院長の施術による症状改善例です。


●ブロック注射が何度も必要になった

ここでは、背骨を支える体幹筋を強める『四つん這い体操』を行うことで、 腰部脊柱管狭窄症(以下、脊柱管狭窄症)に腰痛を改善に導けた例を紹介しましょう。

埼玉県に住む主婦の太田裕美さんん(仮名・66歳)の長年の趣味は、自宅の庭で野菜作りをすることです。 雑草を抜いたり、できた野菜を収穫したりする際に屈む姿勢を取ることが多く、そのためか、 40歳を過ぎて腰痛に悩まされはじめました。太田さんの腰痛は徐々に悪化していき、数年後にはすかっかり持病となってしまいました。 そして、今から3年前、つまり発症から20年以上たった頃には、歯磨き中のふとした動作がきっかけでとうとう ぎっくり腰を発症してしまったのです。 受診した整形外科では変形性腰椎症と診断されたそうです。その後はトリガーポイント注射や神経ブロック注射を受けては 数日後に痛みがぶり返し、また注射を受けるという日々が続きました。 太田さんの腰痛は続けて歩くと痛みがひどくなり、前かがみになると軽くなるという特徴がありました。 強い不安を感じた太田さんが当院を訪れたのは、昨年3月のことです。

◆プッシュオフで腰の硬い筋肉をほぐした

レントゲンなどの検査を行った結果第4腰椎と第5腰椎の間に狭窄が認められました。 また、前かがみで症状が軽快し、背中を反らせないこと、間欠性跛行を伴っていることも踏まえ、私は脊柱管狭窄症と診断しました。 さらに、触診を行ったところ、腰椎の右側に硬い筋肉のこわばりも認められました。 これが太田さんの腰痛を悪化させている一因と考えた私は、まず腰の筋肉のこわばりを「プッシュオフ」や できる範囲で行う前屈と後屈でほぐすよう伝えました。 2週間も続けると腰の筋肉がほぐれて腰痛も和らいできたため、体幹筋を強めて腰椎の狭窄部位にかかる負担を減らす目的で、 四つん這い体操も併せて行うよう指導しました。

太田さんは、朝・昼・晩の1日3回、毎日欠かさず四つん這い体操を続けたそうです。 その結果、体操を始めて3週間が経った頃には、脊柱管狭窄症の腰痛が随分と改善していました。 1時間くらい経ち続けられるようになり、以前は難しく感じていた家事も楽に行えるまでに回復していました。
現在、太田さんは「神経ブロック注射も鎮痛薬も不要になって、買い物にも毎日出かけています。」 と報告してくれるほど元気になっています。


●鬱状態に陥るまで脊柱管狭窄症の腰痛が悪化

埼玉県に住む会社員の中井貴一さん(仮名・58歳)は、数年前にぎっくり腰を経験しました。 友人の引っ越しを手伝いに行って荷物を抱えた拍子に、腰に激痛が走って動けなくなったのです。 ぎっくり腰は1週間寝込んでも回復しなかったため、中井さんは近所の整形外科を受診しました。 処方してもらった鎮痛薬のおかげで、数日後に痛みは当初の2割ほどに改善しましたが、腰のだるさが残りました。 しかも、その後、次第にふくらはぎにしびれが出てくるようになり、再び整形外科を受診してMRI検査を受けたところ、 脊柱管狭窄症と診断されたのです。知人がこの病気を患っていてそのつらさを聞いていた中井さんは、 非常にショックを受けたそうです。また、唯一の趣味であるゴルフも止めなければいけないと考えたといいます。 当時の症状は、腰痛が8割でしびれが2割と、腰痛がひどい状態だったそうです。 腰の痛みで会社でも仕事にならず、特に立ち通しの電車通勤中は地獄だったと話していました。 整形外科では週1回の神経ブロック注射と鎮痛薬の処方が行われましたが、症状はあまり変わりませんでした。 そのため、中井さんは鬱状態にも陥り、抗鬱薬まで必要になったそうです。

◆狭窄症の改善には、腰の手入れが必要

そんな中井さんが当院を訪れたのは昨年の2月。中井さんは一目見て前かがみ姿勢が定着していることがわかりました。 また、触診を行うと腰部に筋肉のこわばりが見つかりました。 そこでまず「プッシュオフ」や、痛まない程度の前屈と後屈を行って腰の筋肉のこわばりをほぐすよう伝えました。 そして、腰の筋肉が柔軟になったのを確認した後、四つん這い体操を行ってもらいました。 中井さんは1日3セットを目安に、四つん這い体操を1ヶ月ほど続けました。 その結果、体幹筋が強まったおかげで辛い腰痛が随分と和らいだのが実感できたようです。 おかげで鎮痛薬の減薬にも成功しました。

体操を始めて3ヶ月が経つ頃には慢性的な腰痛はほぼ治まり、ときどき腰に痛みが出たときにだけ鎮痛薬を飲めば済むようになりました。 中井さんは「腰痛はほとんどに気にならなくなり、仕事にも集中できています。何より諦めていたゴルフを再開できたのが 本当に嬉しいです」と話しています。 脊柱管狭窄症の治療では、鎮痛薬や注射などに頼ることが有効な場合も多いのですが、腰自体の手入れを行うことこそが重要なのです。