食品で脊柱管狭窄症を改善する⑥「コエンザイムQ10」

第5は背骨の歪みを招く筋肉の衰えを撃退する補酵素『コエンザイムQ10』で、イワシや赤身肉に多い。

コエンザイムQ10とは、あらゆる動植物に含まれていて、体内の化学反応を促す酵素の働きを助ける成分(補酵素)です。 このコエンザイムQ10の主な役割は、細胞の中にあるミトコンドリア(糸球体)という小器官が、 エネルギーを効率よく生み出せるようにすること。 筋肉は、極小の細胞(筋細胞)が寄り集まって形成されています。 コエンザイムQ10は、ミトコンドリアがエネルギーを生み出す時に働いてくれます。 したがって、筋肉を増強して脊柱管狭窄症を防ぎ治すためには、コエンザイムQ10を補給するのがいいといえるわけです。


■骨格筋の衰えで椎骨や椎間板が変形する

脊柱管狭窄症を防ぎ治す栄養の第5として紹介したいのが筋肉の衰えを防ぐ補酵素『コエンザイムQ10』です。
まず脊柱管狭窄症と筋肉の衰えがどう関係しているかを述べましょう。 私たちの体にある筋肉は、厳密に言うと平滑筋・心筋・骨格筋の3つの筋肉に大別できます。 平滑筋は、心臓以外の内臓を作る筋肉。心筋は心臓を作る筋肉で、平滑筋も心筋も運動などで強化することはできません。 もう1つの骨格筋は、骨格の可動部分に付いていて、姿勢の保持や体を動かす時に使われる筋肉です。 平滑筋や心筋とは違って、運動などで強化することができます。

これらの筋肉のうち、脊柱管狭窄症と深く関わるのが、骨格筋です。 骨格筋の中には「脊柱起立筋」という背骨をまっすぐに支える筋肉があり、 これが衰えると背骨をしっかりと支えられなくなります。その結果、背骨が特に前側に歪んでしまいます(猫背)。 背骨が歪んだ状態が続くと、普通に立ったり座ったりしているだけでも背骨を構成する椎骨や、椎骨と椎骨の間にある椎間板に 負担がかかって変形し、脊柱管を狭めやすくなってしまいます。また、椎骨や椎間板の変形により、骨と骨をつなぐ靭帯も 疲弊・肥大しやすくなって、脊柱管狭窄症を引き起こす可能性があります。 さらに、脊柱起立筋を含め、背骨周辺にある骨格筋が衰えると硬くなってしまうため、その骨格筋を通る血管が圧迫されてしまいます。 その結果、骨格筋などにも栄養が行き渡らなくなり、脊柱管狭窄症などで起こる坐骨神経痛が引き起こされる場合があります。

以上のことから、脊柱管狭窄症の治療においては、薬やブロック注射などと共に、運動療法が勧められているというわけです。 運動療法を軽視する人もいますが、これをしっかり行っていないと、薬やブロック注射などの効果も満足に得られなくなります。


●運動しながらコエンザイムQ10を補うのがいい

こうした筋肉の強化に役立つのがコエンザイムQ10です。基本的に運動を行うとともに、コエンザイムQ10を補給してほしいものです。 それでは、コエンザイムQ10についてい説明しましょう。コエンザイムQ10とは、あらゆる動植物に含まれていて、 体内の化学反応を促す酵素の働きを助ける成分(補酵素)です。私たちの体にも当然コエンザイムQ10が含まれていて、 筋肉や心臓、腎臓、肝臓といった大量のエネルギーを消費する組織や臓器に多くあります。 このコエンザイムQ10の主な役割は、細胞の中にあるミトコンドリア(糸球体)という小器官が、 エネルギーを効率よく生み出せるようにすること。 筋肉というと、例えば腹筋など、一つの塊だと思っている人も多いでしょう。 ところが、筋肉も極小の細胞(筋細胞)が寄り集まって形成されています。 この筋細胞の中にはほかの細胞と同様に、ミトコンドリアが数多くあります。 ミトコンドリアの働きは驚くべきで、自身が呼吸してエネルギー(ATP)を生み出し、筋肉を動かしたり、 筋肉の原料となるたんぱく質を合成したりするのです。 コエンザイムQ10は、ミトコンドリアがエネルギーを生み出す時に働いてくれます。 もし体内でコエンザイムQ10が不足して、筋細胞のミトコンドリアでエネルギーがうまく生み出されないと、 筋肉の動きが悪くなって思うように体を動かせなくなったり、筋肉の増加が阻害されて筋肉が少なくなったりしてしまいます。 こうしたことから、筋肉を増強して脊柱管狭窄症を防ぎ治すためには、 運動をしながらコエンザイムQ10を補給するのがいいといえるわけです。

コエンザイムQ10は、体内でも作られています。しかし、、その合成量のピークは20歳前後で、加齢とともに体内での合成量が減り 不足しやすくなってしまいます。そのため、体内での合成量が明らかに少ないといえる40歳以降の人は、 コエンザイムQ10を多く含む食品を日常的に食べてほしいものです。 コエンザイムQ10を多く含む食品としては、イワシやサバ、レバー、赤身肉、ブロッコリー、ホウレン草などが挙げられます。 コエンザイムQ10は脂溶性のため、これらの食品を調理するときには、油を使った炒め物やマリネなどの料理が適しています。 とはいえ、イワシやレバー、ブロッコリーに含まれるコエンザイムQ10の含有量はあまり多くありません。 実際に、1日に最低限必要とされる量のコエンザイムQ10を補いたいと思うなら、イワシなら20匹くらい食べる必要がある、 とされています。だからこそ、摂る量に関してはあまり神経質にならず、1日1食はイワシやブロッコリー、ホウレン草を使った料理を 食べるようにするといいでしょう。 もしコエンザイムQ10の不足が心配な人は、サプリメントを利用するのも一つの手です。 コエンザイムQ10は人気があり、ドラッグストアや通販などで各種市販されています。

【関連項目】  『コエンザイムQ10』