脊柱管狭窄症の足裏の痺れに『足指広げ』③
施術例①足裏に厚紙がへばりついたような違和感と脱力で引きこもったが、4カ月の足指広げで外出できた。
施術例②脊柱管狭窄症でほぼ歩けなかったが、足指広げを9ヶ月行ったら、ふらつきが大幅に改善し20m歩けた。
■「足指広げ」施術例
以下は某健康雑誌より転載させていただきました。
●施術例①わずかの段差でもつまづいて不安に
ここでは、足指広げで足裏のしびれなどの違和感が劇的に改善した当院の患者さんでもある本田美奈子さん(仮名・83歳) の症例を紹介しましょう。本田さんは活動的で、散歩や家庭菜園が趣味の元気な人でした。 ところが5年前、家庭菜園を楽しんでいた時に、突然、足裏の感覚がおかしいことに気付きました。 まるで「足裏に厚紙がへばりついているような感覚」でした。それが、日が経つにつれて、その紙がどんどん厚くなっていく 気がしたそうです。そうなると、歩いていてもフワフワとしていて安定しません。 さらに2年経つと足裏の感覚が消えてきて、履いていたスリッパが脱げやすくなったり、わずか数ミリの段差でも つまずきやすくなったりと、歩いていて不安になるケースが増えていったのです。 外出が大好きだった本田さんですが、足裏の脱力感もひどくなり、散歩や買い物に遠くまでで歩けなくなりました。 ついには、シルバーカーに寄りかかって家の周りを1週する程度で、あとは1日のほとんどを家の中で過ごすようになってしまった のです。
◆200メートルのコンビニまで歩けるようになった
本田さんが病院で診察を受けたところ、脊柱管狭窄症と診断されました。手術も考えたそうですが、高齢なことと 心臓にペースメーカーが入っていることで諦めたそうです。そこで、私のクリニックに相談に来たのでした。 本田さんの場合も、前かがみ姿勢を取り続けたために爪先重心に陥っていました。 足裏を診てみたら筋肉が緊張して弾力性を失い、足裏の筋力が著しく低下していたのです。 そこで、治療を受けてもらうとともに、足裏の 「プッシュオフ」と「足指広げ」を教えて、早速やってもらいました。
すると本田さんは、足指広げを始めて2ヶ月目には、室内での伝い歩きでふらつくことが無くなりました。 痺れや脱力感は残っているものの、歩行に対する自信が少しずつ戻ってきたのです。 そして、4ヶ月目になった今、シルバーカーを使って200m先のコンビニまで行けるほど改善しています。 足裏の筋肉も柔軟になって、体重をうまく支えられています。 少し前まで、寝たきりになるかもしれないという不安に襲われていた本田さんでしたが、今では人の助けを借りずに長い距離を歩けています。 もともと歩くことが好きだった本田さんだけに、歩ける喜びを心から味わっているようです。
●施術例②足裏に砂利を敷いた感覚でフラフラした
脊柱管狭窄症の足裏の痺れや違和感が足指広げで改善した患者さんの例をもう一つ紹介しましょう。
加藤登紀子さん(仮名・79歳)は、5~6年前から腰痛に悩まされるようになりました。
腰が痛くなると家事はもちろん、靴下を履いたり顔を洗ったりするのも困難になってしまいました。
そこで、整形外科を受診し、鎮痛薬を飲んだりブロック注射を打ったりしながら痛みを抑えていたそうです。
リハビリにも励んだ結果、腰痛は一時期治まったといいます。
ところが、4年前から今度は「足裏に厚紙を張ったような違和感」が出たのです。 しばらく放置していたら、「足裏に砂利を敷いたような感覚」に変わってきました。 歩くたびにしっかり踏みしめられずフワフワして、ふらつきが頻繁に起こってきました。 再び整形外科を受診したら、馬尾型の脊柱管狭窄症と診断されました。その後も足裏の不快感は増す一方で痺れも現れ、 ついには杖を使っても満足に歩けないまでに悪化してしまったのです。 薬もマッサージもほとんど効果がなく手術も考えた加藤さんでしたが、医師から、足裏の痺れや違和感は手術で治るとは限らない と告げられて八方塞がりの状態になりました。藁をも掴む思いで、私のクリニックにやってきたのです。
◆重心のずれが正され、歩行が安定してきた
私が加藤さんの足裏の状態を見てみると、足の前方にはタコができ、偏平足になっていました。 脊柱管狭窄症の患者さんの特徴である爪先重心で、体重を支える足裏の形が非常に悪くなっていたのです。 加藤さんには、足裏の「プッシュオフ」と「足指広げ」を治療の一環として毎日、家で行ってもらうことにしました。 効果が現れたのは、足裏のプッシュオフと足指広げを始めて4ヶ月経った頃です。 足裏の筋肉の緊張が無くなって体重をしっかり支えられるようになり、立っている際のふらつきが起こりにくくなりました。 ただし、足裏の痺れや違和感に変化はないようでした。
さらに5ヶ月後、加藤さんの症状は大幅に改善し、ふらつくことなく10~20m歩けるようになってきました。 杖は突いていますが、明らかに歩行が安定してきています。この状態を続けていけば、痺れや違和感も次第に軽減していくのではないかと期待しています。