脊柱管狭窄症に『腰支えバンド』

筋力低下でぐらついた背骨を支え、腰椎への負担を減らすと病院でも活用の『腰支えバンド


■衰えた体幹筋をサポートできる

腰部脊柱管狭窄症(以下、脊柱管狭窄症)などに伴う腰痛を引き起こす原因の一つと考えられているのが、腹筋や背筋、 そして背骨を支える体幹筋などの衰えです。悪い姿勢や加齢などでこれらの筋肉が衰えると、背骨がぐらついて不安定になり、 腰椎にかかる負担が大幅に増えるのです。こうした原因で起こる腰痛の改善には、衰えた筋肉の代わりに背骨を支える コルセットの活用が有効な場合があります。ただ、腰の動きを極度に制限するコルセットを長期にわたって使用すると、 体幹筋などの筋力の低下に拍車をかける恐れがあります。 最近では、装着しながらでもウォーキングなどの適度な運動が行えて、家事のときも邪魔にならない腰痛ベルトが 市販されているので、用途に応じてコルセットと使い分けてみるとよいでしょう。 特に、腰痛ベルトの一種として各種市販されている『腰支えバンド』は、体幹筋などの筋肉の働きを 補助するほか、骨盤にある仙腸関節(仙骨と腸骨をつなぐ関節)を引き締めて骨盤と腰痛のぐらつきを抑え、 腰椎への、負担を減らす効果も期待できるのでお勧めです。


●仙腸関節を引き締める効果もある

一般的な腰支えバンドは、太いベルトと2本の補助ベルトで腰を包み込むように巻き付ける構造になっています。 着用すると、お腹の中の圧力が適度に高まり、体幹筋と同様の力、すなわち体の内側から背骨を支える力が生じます。 こうした力が得られることで、腰椎にかかる負担を減らせるのです。 背骨側の腰にあたる部分には樹脂製のステー(支柱)が埋め込まれているものが多く、 腰椎の自然な湾曲が保てる工夫がなされています。 また、腰の両脇の部分には伸縮性の高い生地が編み込まれています。こうした構造は、骨盤の仙腸関節を適度に引き締める 効果を生み出し、ぐらついた腰椎を安定させるのに役立ちます。 腰支えバンドに限らず腰椎ベルトのような装具を用いるときには、正しい位置・正しい巻き方で装着し、 一日中着けっぱなしにしないように注意してください。腰支えバンドは、日中、歩いたり動いたりするときだけに着用し、 安静時や就寝時は外しておくのが原則です。腰支えバンドは、全国の整形外科でも腰痛治療の一助として勧められていますが、 患者さんのQOL(生活の質)を高めるのに大変役立つと評判になっています。 脊柱管狭窄症などに伴う腰痛に悩んでいる人は、ぜひ試してみてください。