食品で脊柱管狭窄症を改善する②「カルシウム」

脊柱管の若返り栄養が続々見つかり、第一は腰椎を頑強に保つ骨の強化栄養『カルシウム
カルシウムが牛乳の約100倍も多い『ウナギの骨』で骨量が大幅に増え、腰痛の引く人が続出。


■カルシウム不足で骨の破壊が進む

この頁では、脊柱管狭窄症を防ぎ治す栄養の第一の栄養として、骨の主成分である『カルシウム』を紹介しましょう。 カルシウムは、椎骨を強めるのに欠かせない成分です。 背骨を構成する椎骨はもとより、体を構成する骨は日々、形成と破壊を少しずつ繰り返し、絶えず作り変えられていますが、 これにカルシウムが関わっています。 私たちが食品から摂ったカルシウムは、小腸で吸収されて血液中に入り込み、そのうちのごくわずかが生命維持のために使われ、 残りは骨に蓄えられます(骨の形成という)。一方、血液中には骨に同じだけのカルシウムが必要なので、 カルシウムの摂取不足が続くと、骨は自らを破壊してカルシウムを流出させ、その不足分を補おうとします(骨の破壊という)。 この骨の形成と破壊によって、骨は新しく作り変えられているわけです。 カルシウムの補給量が不足すると、本来、骨に蓄えられるべきカルシウムの量が少なくなります。 その一方で、血液中のカルシウムが不足しないように、骨からカルシウムが出てしまいます。 この結果、骨の形成よりも骨の破壊が進んでしまい、骨がもろくなって、背骨を構成している椎骨も弱まってしまうのです。 椎骨が弱まっていると、体にかかるちょっとした衝撃などで椎骨そのものはもちろん、 椎骨と椎骨の間にある椎間板にも負担がかかりやすくなります。すると、椎間板や靭帯が骨化して椎骨の上部や下部に 棘のような突起(骨棘)のできることがあります。この椎棘が、脊柱管を狭めてしまい、神経を圧迫することになります。 さらに、椎骨が弱まって骨粗鬆症の状態になっていると、椎骨がつぶれる圧迫骨折を起こすこともあります。 実は、高齢者の場合、腰椎の圧迫骨折が原因で脊柱管狭窄症が発症している例が少なくありません。 圧迫骨折は通常、椎骨の前側、つまり、脊柱管ではない面がつぶれます。 しかし、骨がもろくなっている人の場合、椎骨の後ろ側、つまり脊柱管がある面がつぶれてしまい、 ひいては、脊柱管狭窄症が引き起こされる場合があるのです。


●カルシウム補給に役立つ食品

では、椎骨を若々しく保つためには、カルシウムをどのくらい摂ればいいのでしょうか。 どれくらい労働省は男女別・年代別に推奨量を決めていますが、日本人の中高年はおおむね600~700mg前後のカルシウムを 1日に摂る必要があるとされます。食品別に見ると、乳製品に多く牛乳ならコップ一杯(200ml)、 プロセスチーズならおよそ2個分(30g相当)、ヨーグルトなら1食分(80g)あたり96mgのカルシウムが増えます。 また、大豆にもカルシウムは多く、木綿豆腐半丁(150g)あたり150mg、納豆1パック(50g)当たり45mg補うことができます。 そのほか、魚や海藻などにも多く、ワカサギ3尾(30g)あたり135mg、ヒジキ一皿(110g)あたり140mgのカルシウムが補えます。 カルシウムの補給には、甘味料の一つ、オリゴ糖の利用もいいでしょう。オリゴ糖とは、単糖が2~10個結合した糖質の一種。 オリゴ糖は広く市販されていて、無糖ヨーグルトなどにかけると、美味しく食べることができます。 オリゴ糖には、カルシウムの体内への吸収率を高めるという働きがあります。 ちなみに、オリゴ糖は、タマネギ・ゴボウ・バナナ・きな粉など身近な食品にも含まれています。 こうした食品を日常的に取り入れると効果的です。

ところで、体内にカルシウムが不足すると、骨が弱くもろくなってきますが、他にもさまざまな症状が起こります。 例えば、カルシウム不足に陥ると、筋肉の収縮がうまく行われなくなり、結果的に瞼が痙攣したように震えたり、 睡眠中にこむら返りが起こりやすくなったりします。また、脳の神経が興奮して、イライラしたり、物忘れが増えたりします。 従って、脊柱管狭窄症を防ぎ治したい人はもとより、こむら返りが気になる人やイライラしがちな人には、 カルシウムを積極的に摂るようにしてください。



●ウナギの骨や身は、カルシウムの宝庫

カルシウムの補給源として今注目を浴びているのが『ウナギの骨』です。 現在、厚生労働省が定める日本人のカルシウムの1日当たりの推奨量は、成人で600~700mg。 これだけの量のカルシウムを補おうとすれば、牛乳なら少なくとも600ml程度は飲む必要があります。 一方、ウナギの骨には牛乳の約100~200倍もの多くのカルシウムが含まれていて、わずか6gほど摂れば推奨量を満たしてしまいます。 このように、ウナギの骨はカルシウムの宝庫といえますが、正直なところ、私たちにはウナギの骨を食べるという習慣はほとんど ありません。市販されているウナギの蒲焼などは背骨が取り除かれていて、あるとしても小骨程度でしょう。 とはいえ、ウナギの骨を素揚げにした「骨せんべい」などは広く市販されています。 主に浜名湖などウナギの養殖で有名な地域の物産展やデパート・大型スーパーなどのほか、昔ながらの菓子が置いてある店などで 扱いがあるようです。
ちなみに、ウナギには骨だけでなく、身にもカルシウムが豊富に含まれています。 ウナギの身のカルシウム量は牛乳の1.5倍量ほどにもなります。 このように、ウナギの骨や身はカルシウムの含有量が極めて多く、骨を強めて脊柱管を若返らせる特効食といえるのです。


●歯が丈夫になり、膝痛も和らいだ

以下は某歯科医師の考えです。
その歯科医師によると、基本的に歯の治療にはカルシウムの補給が大切で、カルシウムが不足すると歯がもろくなり、 歯周病が起こる危険性が高まることもわかっているそうです。 もちろん、虫歯や歯周病はカルシウム不足だけが原因というわけではありません。 そこで、虫歯や歯周病で治療に来る患者さんの中でも、腰や膝が痛い人など、明らかにカルシウムが不足していると思われる患者さんに、 ウナギの骨の粒食品を摂るように勧めたそうです。すると、驚くべきことが次々と起こりました。 ウナギの骨の粒食品を摂りだしてから数ヶ月経った患者さんの中に、それまでグラグラしていた歯が、 しっかりと根付いて強固になる人がたくさんいました。そして、そうした歯の強くなった患者さんほど腰痛や膝痛まで 大幅に改善していたのです。具体的には、今まで腰痛で重い荷物が持てなかった人が持てるようになったり、 膝痛で階段の上り下りが苦痛だった人が、楽にできるようになったりしたのです。
ウナギの骨が歯の強化や腰痛・膝痛の改善にいいという臨床試験はまだ行われていませんが、今後、 ウナギの骨についての研究はさらに進んでいくでしょう。


●体験談