■プロテオグリカンの軟骨増強効果を確認

プロテオグリカンの働きの中でも筆頭に挙げられるのが、軟骨細胞を増やす働きです。 プロテオグリカンの効力を調べる実験は、次のように行われました。

まず、軟骨前駆細胞の培地を5つ用意し、プロテオグリカン、ヒアルロン酸、グルコサミン、コラーゲン、コンドロイチン の5種類の軟骨栄養を同じ濃度になるように加えて7日間培養し、経過を観察したのです。 その結果、軟骨前駆細胞が最も増殖していたのが、プロテオグリカンの培地でした。 プロテオグリカン以外では、ヒアルロン酸の培地でわずかに増殖が見られたものの、他の3つの培地では増殖は確認できませんでした。 そして、その後21日間観察したところ、プロテオグリカンの培地では、軟骨前駆細胞が軟骨細胞へと変化していたのです。

以上のような実験結果から、軟骨の優れた増強作用のあるプロテオグリカンは、脊柱管狭窄症を始め、 軟骨の衰えが招くさまざまな痛みや痺れの改善に有効だと考えられるのです。


●膝痛にも有効で、痛みの消失例もある

なお、プロテオグリカンの効力について、膝軟骨の衰えで起こる変形性膝関節症の患者さんを対象にした臨床的な研究も 行われています。この調査は、青森県産業試験センターが行ったもので、 慢性的な膝痛やこわばりを感じている男女316人(40~77歳)にプロテオグリカンの栄養食品を30日間摂ってもらい、 その前後で症状の変化を答えてもらいました。その結果、316人中273人(86.4%)は、摂取後に痛みの軽減を感じました。 しかも、痛みが軽減した273人のうち88人に大幅な痛みの軽減が認められ、25人は痛みがほぼ消失していたのです。


●栄養補助食品を利用するのもいい

プロテオグリカンを補うには、青森県をはじめ北海道や岩手県、新潟県などで盛んに食べられている郷土料理 「サケの氷頭なます」が最適です。上記のように「サケの氷頭なます」とは、 サケの鼻先に当たる部分を薄切りにして甘酢に漬けたものです。サケの鼻先は、皮をはぐと氷のように透き通っていることから 「氷頭」と呼ばれており、この部分にプロテオグリカンが豊富に含まれていることがわかっているのです。 硬い氷頭も、酢に漬ければ酢酸の作用で柔らかくなり、コリコリとした食感のある珍味になります。 なお、氷頭なますを作った時の酢にもプロテオグリカンが抽出しているので、氷頭と共に酢も一緒に摂るようにしてください。

氷頭なますの材料となる氷頭は、店頭ではあまり見かけませんが、魚市場や鮮魚店に頼めば入手しやすいでしょう。 また、既製品の氷頭なますは、デパートや物産展、通信販売で市販されているので、そうしたものを利用するのもいい方法です。 その他、最近は氷頭から抽出したプロテオグリカンの栄養補助食品が各種市販されています。 通信販売やドラッグストアの健康食品売り場で入手できるので、そうした製品で補うのもいいでしょう。