ギャバのアルツハイマー病に対する効果
■発芽玄米に含まれる注目の成分「ギャバ」
発芽玄米に含まれる有効成分の中でも、特に注目を集めているのが「ギャバ(GABA)」です。 ギャバは、正式名称を「γ-アミノ酪酸」といい、脳の神経伝達物質の一種です。 ギャバの働きとしては、精神を安定させる、脳の緊張をほぐす、鬱・不眠を解消する、血圧を安定させる、 動脈硬化を予防するなどの働きがあることがわかっています。 ギャバは白米や玄米にも含まれていますが、群を抜いて豊富に含まれているのが発芽玄米です。 玄米100g中には、ギャバが5~7mg含まれていますが、玄米を発芽させればその量は2~3倍に増えます。 白米と比べれば、発芽玄米のギャバの量は10倍にもなるのです。 ギャバは、哺乳動物の脳にもともと存在している成分ですが、アルツハイマー型認知症の人は、 その量が減っていることがわかっています。
●ギャバのアルツハイマー病に対する効果
最近の研究では、ギャバはアルツハイマー病の予防や改善にも役立つことがわかってきました。 名城大学薬学部と大手食品メーカーによる研究では、アルツハイマーを発症させたマウスを3つのグループに分け、 普通のえさ、白米、発芽玄米をそれぞれ32日間与えて、飼育しました。 その間に迷路に入れて、脱出の速さや学習能力を調べました。すると、15~20日目には、発芽玄米を与えたグループの マウスは、迷路を迷わず脱出する能力や学習能力が明らかに高まっていることがわかったのです。
また、マウスの脳内にβ-アミロイドを投与する試験も行われました。 β-アミロイドとは、アルツハイマー病の患者さんの脳内に多く見られる異常たんぱくのことで、 アルツハイマー病と深くかかわっているといわれています。 すると、ふつうのえさと白米を与えたグループでは短期記憶(作業の間は覚えていて、作業が終わると忘れてしまう記憶) が低下するのに対し、発芽玄米を与えたグループでは、その低下が明らかに抑制され、 記憶障害が起こりにくくなっていたのです。
最近の報告では、初期の認知症患者の体内では、ギャバが減少しているということもわかっています。 こうしたことから、ギャバを豊富に含む発芽玄米を常食すれば、アルツハイマー病の予防・改善に役立つことが 期待できるのです。健康のためにギャバを摂るなら、1日に30mg(発芽玄米の場合、茶碗3杯)は摂りたいものです。 毎日の主食を発芽玄米に変えれば、十分な量のギャバを摂ることができるでしょう。