■野菜・果物を摂る

野菜の多食でボケの発病を70%も抑制

認知症の予防には野菜や果物の摂取も欠かせません。 アルツハイマー病の脳に現れる老人班では炎症反応が起こり、 「活性酸素」(攻撃力の強い酸素)の生じていることが指摘されています。 活性酸素には、体内に侵入した細菌や異物を撃退するという役割がありますが、 その一方で、活性酸素が体内に過剰に発生すると細胞を傷つけ、あらゆる病気や老化のもとになるのです。 脳についていえば、活性酸素は脳内にかなりの割合で含まれている脂肪を酸化させて、アルツハイマー病を引き起こす 原因となります。そうしたことにならないために、人間の体には抗酸化力が備わっていますが、 この抗酸化力は年を取るにつれて衰えてしまいます。そのため、体外から補う必要があるのです。 活性酸素に対して抗酸化作用をもたらすのが、ビタミンC・E、β-カロテンなどが含まれる野菜や果物。 野菜や果物の多くがビタミンCを多く含み、特にシソ・ホウレンソウ・パセリ・カボチャ・シュンギク・コマツナ などの緑黄色野菜にはβカロテンやビタミンEが豊富です。これらの抗酸化成分は、細胞が傷つくのを防ぎ、 悪玉コレステロールが酸化するのを抑えて動脈硬化の防止に役立ちます。

実際に、米国のシカゴでは、65歳以上の815人を対象に、食事(野菜や果物からの摂取による)のビタミンE の含有量を4段階に分け、約4年間にわたって追跡しています。 その報告によれば、ビタミンEの摂取量が最も多いグループは、最も少ないグループに比べて アルツハイマー病の発症率が70%も低かったとされています。 そのほか、野菜に含まれる葉酸やビタミンB群もアルツハイマー病の予防に役立つと報告されています。


●緑黄色野菜の摂り方

緑黄色野菜を簡単に摂るなら、「野菜ジュース」にして摂るのがおススメです。 200mlの野菜ジュースを朝と夕方に1杯ずつ飲めば、ビタミンC・E、β-カロテンをはじめとしたビタミン群や ミネラルなど、必要な微量栄養素のほとんどを摂ることができます。 野菜ジュースは、手作りしてもいいですし、市販のものを利用するのもいいでしょう。 また、活性酸素対策にはサプリメントなどもよいでしょう。

【関連項目】
『野菜系サプリメント』
『抗酸化力強化サプリメント』
『ビタミン類』
『野菜不足解消』