緑内障の症状と進行
『緑内障』は、主に「眼圧」の影響で起こります。 「水晶体」と「角膜」の間を満たす「房水」の量が増えると、眼圧が上昇します。 すると、脳に続く視神経が束になっている「視神経乳頭」が圧迫され、この状態が続くと視神経が障害されていきます。 その結果、本来目から脳に伝わるはずの情報が伝わらなくなり、視野が欠けてしまいます。 緑内障が進行するにつれて見えにくい部分が増えていきますが、多くの場合、かなり進行しないと視力は低下しません。 初期に異常に気付くことはほとんどなく、進行するまで気付きにくいのが特徴です。 緑内障の初期には、部分的に見えにくいところができ、中期になると視野の欠けた部分が拡大します。 後期になると、見える部分がさらに狭くなり視野の中心が欠けてくると視力が低下します。
■症状と進行
ほとんどが無症状。気付いたときには末期のことが多い。
緑内障では、ほとんどの場合、何の自覚症状もないままに、ゆっくりと病気が進行していきます。
●視野の欠損は5年単位で進む
一般に、視神経に障害が生じてから5~10年ほど経たないと、視野が欠ける「視野欠損」は現れません。
そして、視野欠損自体も5年、10年、15年というペースで徐々に進んでいきます。
そのため、見え方が少し変わっても、その状態に慣れてしまい、”視野が欠けてきた”と気付いて受診した時には、
末期の状態にまで進んでいることも珍しくありません。
視野の欠損は、多くの場合、中心よりもやや上側や鼻側の方から始まります。
この段階では、視野の中心部分が欠けていないこともあって、視野の異常に気付く人はほとんどいません。
中期になると、視野の欠けた範囲が徐々に広がってきます。視野の1/4程度が欠けてくると、異常に気付く人も出てきます。
さらに後期になると、見えるのは視野の中心部と外側だけになります。物が欠けて見えたり、横から来た人に気付かず、
ぶつかったりするようになります。この段階でも、もう片方の目の視力がよければ、
欠損が補われて異常に気付かないことも多く、実際、そういう人は少なくありません。
ただし、緑内障は、多少の時間のずれはあっても、基本的には左右両方の目に起こります。
●急性緑内障発作が起こると
緑内障で顕著な症状が現れるのは、原発性閉塞隅角緑内障で眼圧が急激に上がり、急性緑内障発作に襲われたときです。 突然、光の周囲に虹が見えたり、「強い目の痛み」や「激しい頭痛」、「吐き気」といった症状に見舞われます。 早く治療を受けないと、失明してしまいます。