サトウキビエキス
【黄斑変性・糖尿病網膜症に】
黄斑変性・糖尿病網膜症が急増中で、高血糖・脂質異常症による動脈硬化が進行を加速。
■日本人の黄斑変性は大半が滲出型で目の老化による血行不良が密接に関わっている
以下の文章は、某健康雑誌より転載させていただきました。
患者数が一気に拡大し、中途失明(後天的に視力を失うこと)を招く原因として恐れられているのが
『黄斑変性』です。黄斑変性とは、網膜の中心にある黄斑部に異常が起こる病気。
黄斑部は、目の中でも最も重要な組織です。視細胞が集中しているため、黄斑部に障害が起こると、視野の一部が欠けたり、
視界がぼやけたり歪んで見えたりするようになります。
最初は片方の目だけに起こることが多く、初期の段階では異常に気付きにくいことがほとんどです。
しかし、症状が進行すると、もう片方の目にも障害が起こり、やがて広い範囲が見えなくなって失明の危険が高まります。
日本人の黄斑変性の大半は「滲出型」と呼ばれるタイプで、動脈硬化による目の血行不良が密接に関わっていることが
わかっています。栄養バランスの偏った食生活、過剰なストレス、運動不足といった生活習慣の乱れは、
血糖値やコレステロール値の上昇を招き、動脈硬化を引き起こす恐れがあります。
特に、細い血管が集中する眼には、動脈硬化の影響が現れやすく、やがて網膜の視細胞に酸素や栄養が行き渡りにくい状態に
陥ります。すると、何とかして血液を送り届けようと、「新生血管」が作り出されるのです。
新生血管は通常の血管とは異なり、急ごしらえで非常にもろく、簡単に破れてしまいます。
新生血管が破れると、すぐに別の新生血管が作られて新たな出血を繰り返す、という悪循環に陥ります。
新生血管から漏れ出た血液や血の塊によって黄斑部が傷つけられたり覆われたりすると、深刻な視力障害を招き、
最悪の場合は失明に至るのです。
黄斑変性と同様に中途失明原因の上位に上げられる糖尿病網膜症も、動脈硬化が引き金となって網膜の血管が出血し、
視力障害を引き起こすことで発症します。
●眼底検査
40代以降は眼病の予防・発見のため、動脈硬化の進行を診る眼底検査をしよう
黄斑変性や糖尿病網膜症など、深刻な目の病気の予防・早期発見のため、40歳を過ぎたら年に一度は受診することを
お勧めしたいのが、「眼底検査」です。眼底検査とは、眼球の奥に張り巡らされた網膜の血管を顕微鏡で観察し、
動脈や静脈、血液の状態を細かく調べるというものです。血液が血管を流れている様子を直接観察することができる、
最も正確な検査方法です。眼底検査を行えば、目の網膜の状態のみならず、全身の血流や動脈硬化の進行度合いも
知ることができます。私のクリニックでも目の不調を訴える患者さんには必ず眼底検査を行っていますが、
深刻な人ほど血流の悪化が認められます。そうした患者さんの約2割は、他の医療機関で糖尿病や高血圧、脂質異常症と診断され、
治療を受けています。また、現在は治療を受けていなくても、職場の健康診断などで、高血圧や高血糖、高コレステロールを
指摘されている患者さんは多く、その中には近い将来脳梗塞や心筋梗塞、糖尿病を発症する危険がある人も少なからずいます。
私のクリニックでは内科と連携しながら、血液中に増えすぎた糖質や脂質を減らすための栄養指導や生活習慣全般の指導を
行っています。具体的には、食物繊維や抗酸化物質を多く含む緑黄色野菜をなるべく多く食べる、適度な運動や散歩を心がける、
音楽などを利用して気分を落ち着かせ、日々のストレスを上手に解消する、などを勧めています。
専門的な治療と並行して生活習慣の見直しを図ることが、黄斑変性や糖尿病網膜症の改善につながる第一歩といえるでしょう。