メニエール病対策④内耳のむくみ解消に『水飲み療法』

何と1日1㍑のぬるま湯を飲む『水飲み療法』で、内耳のむくみが解消し、聴力の回復する人多数。


■「水飲み療法」とは?

以下の文章は某クリニック院長の施術談です。


●利尿薬と同様の効果が得られる

メニエール病の改善には、原因とされる内リンパ水腫(内耳にリンパ液が過剰になった状態)を正す必要があります。 その方法として、一般に耳鼻科などの治療では、尿の生成を促して内耳のリンパ液の排出を促す利尿薬が処方されています。 一方、私はこの利尿薬の働きをヒントに、自力で行える新しい治療法を考案しました。 その治療法とは、『水飲み療法(当院ではアクア療法という)』です。 水飲み療法とは、簡単に言えば大量の水(ぬるま湯)を飲むだけの治療法です。 この治療法は、日々、メニエール病に悩む人に鍼灸や揉み解しなどの治療を行ってきた中で、偶然見つかったものです。

今から5年ほど前、当院にメニエール病の治療で通っていた人から、「耳鳴りが突然よくなった」という話を聞きました。 何をしたのかを訪ねると「水をたくさん飲んだだけ」という返事が返ってきたのです。 メニエール病で利尿薬を処方するのは、尿をたくさん出すためです。 そして、水を多く飲めば、利尿薬を飲んだ時と同じように尿の量が増えます。 手段は違いますが、いずれも尿量が増えるという結果は同じです。 そこで私は、水を大量に飲めば、利尿薬を飲んだ時と同様にメニエール病の改善効果が得られるのではないかという考えに 行き着いたわけです。


◆最初は少なめの量を飲むことから始める

早速、私は従来の鍼灸や揉み解しの治療に併せて、水飲み療法をメニエール病に悩む人に試してもらいました。 すると、予想通り、めまいや耳鳴り、難聴などの改善をする人が続々と現れたのです。 効果が顕著な人では、何度もめまい発作を繰り返していたのが、水飲み療法を始めて10日もかからないうちにすっかりよくなり、 以後、何年も再発していないというケースも認められました。 水飲み療法がメニエール病に効くのは、大量の水を飲むことで尿の出がよくなり、それに伴って内耳に滞ったリンパ液も 同時に押し出され、内耳のリンパ液の新陳代謝が回復するためと考えられます。

水飲み療法では、毎日、1日当たり女性で1.0~2.0㍑、男性で1.5~2.0㍑のぬるま湯(35~40℃)を5~10回に分けて飲みます。 就寝時に尿意で目覚めるのを防ぐため、就寝する2時間前には1日分を飲みきります。 始めは水の大量摂取に体を慣らすために1日0.5~1.0㍑にとどめましょう。 水道水でもミネラルウォーターでもかまいませんが、ミネラルが多い硬水は下痢の原因になるので避けます。 なお、お茶やコーヒー、清涼飲料水、ジュース、スポーツドリンクは水飲み療法に適していません。 心臓や血管などの循環器疾患、肝臓疾患、腎臓疾患がある人は病気が悪化する恐れがあるので、 水飲み療法を行う前に医師に必ず相談してください。


◆2週間の水飲み療法でメニエール病を克服

水飲み療法でメニエール病を克服した例を紹介しましょう。
東京都に住む会社員の橋本夏希さん(仮名・41歳)は2013年の9月にメニエール病と診断されました。 症状はめまい・難聴・耳鳴り・耳閉感で、すでに2週間入院して治療を受けました。 しかし、それでも改善しなかったため、9月末に当院を訪れたのです。 早速、鍼灸と揉み解しを行い、自宅では水飲み療法を行ってもらいました。 すると2週間ほどで症状がほぼ解消し、その後の再発もありません。

東京都に住む主婦の辻由貴さん(仮名・43歳)もメニエール病で入院の経験がある人です。 やはり思うようによくならず、よくなったり悪くなったりを繰り返しており、2013年の11月中旬に来院しました。 辻さんにも鍼灸や揉み解しと併せて水飲み療法を行ってもらいました。 すると、12月になるころには症状がかなり改善しました。また、首のコリがほぐれて顔色がよくなったことも喜んでいます。