網膜血管閉塞症に「夜納豆」

高血圧・糖尿病の人がなりやすい『網膜血管閉塞症』。 血栓を溶かす『夜納豆』は、予防・改善に効果大。


■網膜血管閉塞症

血管新生緑内障や視力低下の恐れもある

「網膜血管閉塞症」という病気は、脳の血管が詰まる脳梗塞や、心臓の血管が詰まる心筋梗塞と同様、 目の網膜にある血管が詰まる病気です。網膜には動脈と静脈が4本ずつ通っていて、網膜動脈が根本からすべて詰まっている場合には、 網膜中心動脈閉塞症、動脈の一部が詰まっている場合には、網膜動脈分枝閉塞症と呼んで区別しています。 静脈も同様で、詰まっている場所により、網膜中心静脈閉塞症、または網膜静脈分枝閉塞症と呼びます。
動脈に起こる閉塞症の場合は、心臓など目以外の場所にできた血栓が飛んできて詰まることが多いのに対し、 静脈の詰りは、静脈内にできた血栓が原因になります。網膜内には動脈と静脈が交差しているところがあり、 交差部分の動脈で硬化が起きていると、静脈もその影響を受け、血流が悪くなったり、血栓ができてしまうのです。 動脈にしろ静脈にしろ、詰まりの原因は血栓で、血管が詰まれば酸素や栄養が網膜に行き渡らないばかりか、 詰まった血管が破れて出血を起こし、目が見えなくなったり、視野の一部が欠けたりするのです。 治療が遅れれば、視力低下や失明の危険もありますし、血管新生緑内障や、黄斑浮腫といった眼病にもつながります。


●高血圧や糖尿病の人はリスクが高い

網膜血管閉塞症は、血栓が第一の原因ですから、高血圧や糖尿病、動脈硬化、肥満などで血管が詰まりやすい人は 発症するリスクが高くなりますが、夜に納豆を食べるだけの『夜納豆』は、網膜血管閉塞症の予防にも 改善にも使える食事療法です。血管閉塞症の治療には、ウロキナーゼという酵素がよく使われてきました。 ウロキナーゼは、血栓を溶かす作用があるプラスミンの前駆体、プラスミノーゲンに作用してプラスミンの生成を活発にします。 このウロキナーゼと同様の働きをするのが納豆に含まれる「ナットウキナーゼ」です。 ナットウキナーゼもまた、プラスミノーゲンの働きを高め、プラスミンを生成して血栓を溶かすよう働きますが、 更にナットウキナーゼは、血栓のもととなるフィブリンを分解し、血栓が作られないよう働くのです。 また、納豆100gに含まれるナットウキナーゼの効力は、2万円分のウロキナーゼに相当します。 「夜納豆」は金銭的にも優しい食事法なのです。血栓は朝にできやすいため、納豆を食べるのは夜がいいのですが、 納豆に含まれるビタミンKは、血液凝固予防薬のワーファリンの働きを阻害します。 ワーファリンを服用している人は納豆を食べないでください。